将棋の勉強と目的の意識について
今回は、子どもたちとやっている将棋の勉強についての話をしたときに、ちょっと私が思ったことを書いてみます。
テーマは「将棋の勉強と目的の意識について」です。
将棋の勉強と目的の意識
ちょっと難しすぎない?
以前の記事でも書きましたが、初心者の子に将棋の勉強についてまず何をやればいいかを聞かれることが多いです。
その時、基本的に私は、
「詰め将棋をやってみましょう。目標は3手詰めがすらすら解けるレベルね。難しかったら1手詰めでもいいよ」
と答えることがほとんどです。
将棋は「相手を詰ましたら勝ち」なゲームなので、将棋を自分の勝ちで終わらせる力が当然必要になります。
ですから、まずは自分の勝ちを決定づける形を覚えるために「詰め将棋」をやりましょう、とアドバイスするのですが…
ある時、同じぐらいのレベルの教室見学に来た子に「何か将棋の勉強をしてる?」と聞いたときに、こういう答えが返ってきました。
「詰め将棋をやっています。だいたい5手から11手ぐらいの問題を解いています」
それを聞いて「凄いな~」と普通に思いました。
でも同時に、
「そんなに難しいのは、まだやらなくてもいいんじゃないかな~」
とも思ったのです。
もちろん、子どもたちがやっている努力を否定する気は全くありません。
要は「今身につけるべき力」と「勉強の内容」のバランスが合っていない気がしたのです。
何を身につけたいのか
将棋の勉強は、やる目的によってやり方も変わってくる、と私は考えています。
同じ「詰め将棋を解く」という勉強方法も、「何を身につけたいのか」という目的の違いでやり方はいろいろあると思っているのです。
以下に例を挙げてみます。
基本的な詰み形を覚えたい
この目的なら、まずは1手~5手ぐらいの基本形を網羅した詰将棋の本でいいかと思います。
何度も反復して、しっかり基本的な詰み形を学びましょう。
同じぐらいの手数でも「作品的」な詰め将棋は、最初は避けた方がいいと思います。
実戦で出てきそうな形を解きたい
この目的なら、「実戦形」を取り扱った本が良いと思います。
さまざまな手数の問題がありますが、そこまでひねったような問題はそう取り上げられてないと思います。
とはいっても、やってみると普通に難しいですけど(笑)
読む力を鍛えたい
この目的になってくると、だいたいの詰め将棋の本が当てはまってきます。
イメージとしては、7手~15手ぐらいの問題にじっくり取り組む感じです。
大事なのは、正解をあぶり出して解くことです。
ぱっと正解を見つけるというよりは、すべての変化を考え不正解手順を読み切っていけば、自然と正解手順が残るという感じです。
すぐに正解だと思う答えが浮かんでも、他の手順がすべて「不正解」であることを確認するようにしましょう。
今回は詰将棋を例に出しましたが、他の勉強方法にも、目的に応じてやり方はいろいろあると思います。
目的に応じた工夫をいれる
私は昔、短めの詰め将棋を解くときに時間を計ってやっていました。
以前の記事に書いた方法をメインにやっていましたが、それとは別に60分で何問解けるかというトレーニングもやってみました。
なぜかというと、私が住んでいる県の将棋大会は持ち時間が「25分切れ負け」というルールがほとんどだったからです。
つまり、相手の持ち時間も使ってしっかりと読むには、それぐらい考え続ける「脳の体力」を鍛えるのが大事だと思ったのです。
このように、同じ詰め将棋という勉強をやるにしても、目的に応じてやり方を変えたり工夫をしたりすることが大事だと思います。
自分で工夫して取り組んだ勉強は、身体に残りやすいと思っています。
このように将棋の勉強方法についても、うちの教室のコンセプトである「考える力」が活用できると思います。
自分で「どういう勉強」を「何のために」やるのかをしっかり考えましょう。
今回は以上です。
ご覧いただきありがとうございました。
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