入門クラス編(1) ~ルールや駒の動きを覚える~

2020年7月21日

今回は、将棋教室の最初のグループである「入門クラス」の指導方法について書いてみます。

 ルールや駒の動きがわからないレベル

ゲーム性を理解する

うちの将棋教室に「一日体験」に来る子の中では、実は意外にこのレベルの子は少ないです。

すでに家族や友達とやったことがある、というケースがほとんどなんですね。

 

それに、ちょっと教室が敷居高く感じちゃうから来ないのかな?(汗)

 

このレベルの子には、まずはざっくりと道具の説明やゲーム性等を説明していきます。

それが終わったら、最初の壁になるであろう「駒の動きを覚える」ことへと進みます。

駒の動きを覚える

まずは駒の動きですが、将棋の駒は【図1】のとおり全部で8種類です。

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ただ、このままで個別に教えていくと、初心者には種類が多く感じて難しく思う子もいると思います。

 

ですから、さらに【図2】のとおり「兄弟駒」と「ライバル駒」というグループでまとめています。

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縦に囲っているのが兄弟駒、いわゆる動きの本質が似ている駒です。

それに対して、横に囲っているのがライバル駒、いわゆる動きの本質が正反対の駒です。

 

例えば「飛車」と「金」はタテヨコに強く、「角」と「銀」はナナメに強い、という感じです。
「玉」と「桂馬」は独立した動きの駒という扱いです。

 

これで大まかに分けて、駒の動きを全部で5種類まで絞り込みました。

このようにして、駒の動きを教えています。

 

そして、一通り駒の動きを教えたらテストです。

 

テストは【図3】のように、駒の動けると思う場所に「と金」を置いてもらってチェックしています。

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あとは、覚えてもらうまで何回か繰り返します。

子どもたちのペースに合わせて、のんびりいきましょう。

 駒の動きを覚えたら

実際に詰ましてみよう!

駒の動きをある程度覚えた子に、次にやってもらうことは「詰ます」という作業です。

 

「相手の駒を取る=詰ます」ということはなんとなくわかっても、実際にいきなりできる子というのはほぼいません。

そこで、以下のように実際にやってもらいます。

【図4】は、すべて持駒が「」の一手詰め問題になっています。

 

まずは駒の価値の低い順(歩で始まって最後は飛車)に、【図4】のように盤上に置いて「」で詰ます、という問題を一つずつ出しています。

例えば、歩が正解したら次は香車、その次は桂馬という感じです。

 

そして、このやり方で「頭金」の詰みについて理解してもらうのです。

 

相手の王様をやっつけたかったら、頭を押さえなさい

 

これは、私がよく伝えている大事な将棋のコツの一つです。

この段階で、それをしっかり何度もやりこみます。

いよいよ「将棋」をやってみる!

駒の動き、特に「玉」「金」「銀」の3種類の駒の動きをある程度覚えたら、いよいよ将棋を実際にやることになります。

 

ただ、いきなり全部の駒を使って指すのはかなり難易度が高いので、うちの教室ではまず5×5のミニ将棋を使って、学ぶべき将棋のコツを伝えていきます。

これが、入門クラスでやっているミニ将棋です。

うちの教室では専用の5×5盤を使用していますが、それがない場合は、

【図6】のように「と金」で壁を作ってもいいと思います。

 

このミニ将棋は、基本のルールは普通の将棋と一緒ですが、若干変更している部分もあります。

それは以下の2つです。

 

・「成る」というルールがない

「成る」というルールは、初心者にはわかりにくいと思われますので外しています。

 

・双方の王様のどちらか一方が、相手の陣地の一段目に入った瞬間に引き分けになる

これは、先ほど出てきた「玉の頭を押さえる」というコツを伝えるために採用したルールです。

 

もし途中で「引き分け」があった場合、3連勝が途切れてしまいますので「引き分け」は実質「上手の勝ち」となります。

 

このミニ将棋は駒落ち将棋と同じく、駒の少ない上手から指していきます。

 

まずはこの「金一枚」の手合いで、担当の女性スタッフに3連勝することを目標にします。

 

そしてそれが達成できたら、卒業試験を私が行います。

卒業条件も同じ、私相手に3連勝です。

 

ここで卒業条件をクリアできたら「金二枚」に手合い変更、もしできなかったら、また女性スタッフ相手に3連勝を目指すところからやり直しです。

 

こうして「金二枚」での卒業条件(金一枚と同じく、卒業試験で私相手に3連勝)を満たした子は、晴れて「入門クラス」を卒業となり「18級」という段級が付きます。

 

このミニ将棋は、単純そうに見えて結構奥が深く、指導者側もやっていて気づかされることが多々あります。

 

上手く使えれば、将棋の大事なコツをしっかり伝えることができる、と私は思います。

 

次はいよいよ、このミニ将棋で何を伝えているか、について書こうと思います。

 

今回は以上です。

ご覧いただきありがとうございました。

 

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